最近ウイスキーのテイスティングの勉強をしている。
テイスティングとは、あるウイスキーについてその色調や香り・味わいなどの特徴を捉え、言語化するという作業。
酒屋としてお客様にウイスキーの提案をさせていただく上で、その香味特徴を正確に伝えられる方がいいに決まっている。
だから、実際に飲んで、感じて、表現することが大事なんだ!
という建前で、就業時間中にウイスキーを飲んで、顔を赤くして目を血走らせている。
面白いもので、テイスティングのスキルや感受性というのは訓練によって伸びるということを実感しており、
最初は何を飲んでも「ウイスキー!」という感想しか出てこなかったけど、いまでは少しずつアロマを拾って特徴を捉えられるようになってきた。
タリスカー10年を飲んで
「海辺のキャンプファイヤーを友人達で囲み、煙に潮風とブラックペッパーが舌の上で踊りだして長く続く、タリスカーの夕暮。」
とか
「スカイ島の一日の天候をボトルに詰めたような味と香りがする。朝方はかすかに晴れ、昼は雨、夜は嵐だ。」
なんて粋なコメントをできるようになる日がいつか来るのかもしれない。
そいうえば、前職のキリンビール時代も試飲(テイスティング)が日常業務の中にあった。
工場勤務時代は、出荷OK/NGの判定をするのに毎日出来たてのビールを試飲したり、中味づくりの部署でもないのに(ましてや呼ばれてもないのに)各工場のビールを飲み比べて、味の造りこみについて議論する場に参加していた。
研究所勤務時代は、サーバーの試作で流路径・温度・ガス圧・泡付方法等色んな条件を試し、都度注ぎ出したビールの味を確かめていた。
あまりにも日常過ぎて、コロナ禍で全く外に飲みに行けなかったときも毎日試飲していることを忘れ、めちゃくちゃお酒が弱くなってるんじゃないかと不安になったこともあった。
おかげさまで、仕事中に昼から飲酒することになんの抵抗もなくなってしまった。
酒屋という職業と「テイスティングです。」という便利な言葉がそれに拍車をかけている。
これからもよりよい提案のために、責任をもって酔いどれ酒屋を地で行こうと思います。
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