研ぎ師  ユッキー

まず砥石に静かに水を掛けます。

 

研ぎに掛ける刃をゆっくり見つめます。

 

どのように研ぐか刃を見ながら想います。

 

考えがまとまると、丁寧に優しく角度を決め、研ぎ始めます。

 

少しづつ力を込めて研ぎだすとやがて無我の境地に成れます。

 

作家の澤田富士子や山本一力の世界のようにはいきません。

 

妻の宗子から包丁の研ぎを頼まれます。

 

年に二・三回 7本の包丁を研がなければいけません。

 

片刃に100回以上は研いでいますが、

 

どれだけ研げばいいのかよく分かりません。

 

研いだ当初はよく切れると言ってくれますが

 

三ヶ月もすると切れなくなります。そんなもんですかねぇー

 

澄み切った心で包丁を研いでみたい。

 

研ぎ師 ユッキーとしての願いです。

 

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