42歳が68歳の店で80歳に寿司をご馳走になる

東京は新宿西口にある 「思い出横丁」 って知ってはりますか?

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20年前、就職で東京に出て初めて配属されたのがこの新宿西口からほど近い昭和ビルの8階にあったサントリー東京西支店。

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支店は今はもうないけど僕の中では思い出の場所。

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そしてこの思い出横丁にもまさに思い出がたくさんある。

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先週土曜日、近くのホテルに泊まっていたので夕食と散歩がてらに横丁の中にある 「寿司 辰」 さんに行った。

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このお店の大将は、この商店会の会長も務める村上さん(68歳)。

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入社3年目ころ担当させてもらい、よくお店が閉店になった夜中から一緒に呑みにも連れてもらった。

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何年かぶりに大将が握るお寿司を食べたくなって立ち寄ったんやけど、玄関を入るなり

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「おう!直人(42歳)! 珍しいじゃねえか! 元気にやってっか?」

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って声をかけてくれて他のお客さんが予約してあっはずのカウンターの席に座らせてくれた。

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これ、なんでもないようなことやけどめ~~っちゃ嬉しかった。

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高級感は一切無いけど

とにかくお寿司がおいしい!

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「来て良かった~」って思いながらネタを選んでたら

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3分も経たないうちに大将が先に僕の横に座ってたお客さんに

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「先生、こいつ(僕)ラグビーやってたんですよ」

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って紹介してくれて。

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先客は3人組の早稲田出身のお爺さんグループ。

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僕の横に座られてたその中でも最年長のお爺ちゃん(80歳)が現役のお医者さんでラグビーが大好きでラグビーの試合のドクターもやってるそう。

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80歳には見えない雰囲気でカッコイイ。

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しかし80歳は80歳。  耳には補聴器が見えてたけど補聴器の力を借りても僕の声が届かない。

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知らんまにゴッツイゴッツイ声でお爺ちゃんとラグビー談議。

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同席されてた仲間をほったらかして僕の方を向いたっきりで熱燗を差しつ差されつしながら楽しい時間を過ごさせてもらった。

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少し年齢は離れてるけどまた友達ができた!

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ほとんどしゃべってばかりだったから何を食べたかは覚えてないけどお腹一杯に食べたのに、お爺ちゃんが全部ご馳走してくれた。

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そんな夜に考えることは80歳の大先輩と68歳の職人さんの前では僕もまだまだ ヒヨッコ やんってことやな。

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80歳のお爺ちゃんより僕の方が禿げてたのが気にはなったけど、そのうち毛も生えてくるやろ!

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お爺ちゃん先生、ごちそうさまでした。

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今度もおごってね?

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