僕は酒屋であり、昔はラグビー選手であったりもした。
でも意外と芸術家になれたんちゃうの?って思う出来事があった。
僕は毎日会社の前のお地蔵さんのお水を換える。
その時には古いお水を(株)なおかつの倉庫の壁にかけるねん。
なんとなく御利益とかあるかな~って思って。
で、この作業をほぼ毎日続けてるんやけど、つい何日か前に僕がお水をかけて出来た
倉庫の壁のシミにカメラを向けようとする男性がいた。
しかも自転車で通りすぎたのに、わざわざ引き返して来て・・・。
気味悪かったので少し強い口調で
「なんかご用ですか?(-.-)」
って訊いてみた。
そしたらその人ったらめっちゃ気弱そうな人で、オドオドしながら
「イ、イエ・・・す、すみません。あまりにも模様が美しかったので写真を取らせていただきたいのですが・・・」
ときたもんだ。
「なになに? 僕の何気なく創作した才能あふれる壁の模様を写真に撮らせろってかい?
いいじゃないの。何枚でも撮ってきなさいよ! あなた、なかなかホンモノがわかる人なんだねえ」
って心で言いながらニヤニヤする僕。
オドオドしながら本当に写真を撮影していった男性。
僕はむしろあなたを写真に撮りたかったよ。
あなたはきっと心の澄んだ良い人に決まってる。
だってこんな適当な模様に立ち止まってくれたのだから・・・