穏やかな認知症のお父さんの漢字練習にグッときた件

僕の親父であり、またの名を株式会社なおかつ会長と呼ばれる中村直勝は数年前から認知症を患っている。



「アルツハイマー型認知症」ではなく「前頭側頭型認知症」というメジャーじゃない方の認知症だ。



日本で開催された2019年のラグビーワールドカップが閉幕になった直後、それまで日常だった出社途中に転倒して頭をぶつけて緊急入院(1泊)をしてからから一気に進行が早くなったように感じる。



あれから5年以上が過ぎて着実に病気は進んでいるけれど、親父はずっと穏やかに認知症と共に生きている。



特徴的な症状である「攻撃的になったり、狂暴になる」だとか「徘徊する」だとかは全くない。



ただ、これも特徴として挙げられる「言葉が出にくい、オウム返しをする」だったり「身だしなみに無頓着になる」はバッチリ当てはまってる(^^;) 



言葉に関しては何かとこちらの問いかけにオウム返しをしていた時代は過ぎ、さらには言葉が出にくいってことすら通り越して、今では長らく親父の声自体を聞いてない。。。



当り前だけど、親父が年老いたことは理解している。



人生のすべてに絶大な影響を与えてくれた元気だったころの親父には会えないし、会話出来ないことも理解している。



だけど、なんか少しでも「老い」に立ち向かっている親父を見たいなって思ってしまう。



親父には迷惑な話かもしれないけれど勝手に思ってしまう。



いつも近くで世話をしているオカンは僕よりも強く思っているんだと思う。



ある日、親父に会いに行くとテーブルに1冊の漢字練習帳が置いてあった。



オカンが親父の「老いに逆らうためのグッズ」として目の前に置いてるんだなってことはわかったけど、絶対に何も書けっこないと思いながら開いてみると懐かしい親父のクセのある文字が並んでいた。



それを突然見たもんだからグッときてしまったな~。



どこにいても存在感抜群の親父だったけど、彼が書く文字も存在感があったのよ。




「なんで寺やねん!」って思ったけど、すぐに同級生で幼馴染の寺さんの名前を書いてることに気付いた。



「寺」って書けるやんかお父ちゃん!!!  って叫びそうになった時に異変が。。。



なんやこの見たことのない漢字らしきもの(笑)



やっぱ僕の親父はおもろい!!



たぶんしゃべれないだけで僕を笑かそうとしたんだ。



ちょっと涙も出てきたけど変な漢字、面白いでオトン!



とか言いながらページをめくるとこんな字も書いてあった。



直人、環、勝人。。。僕と妹と弟の名前。



認知症で薄れていく記憶の中で、最後までこの名前が残ってますようにって願った。。。








動画が貼れなかったのでインスタ貼ってみました。



これこそが真剣に漢字を書く男の顔です。

https://www.instagram.com/p/DGFbvxYJnYL/?igsh=MXVhMzIzMWdndmhvbA==

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