痛恨のミス

株式会社なおかつには京都大学卒にして全国でも数少ないウィスキープロフェッショナルの資格を持つ志村大智がいる。



京大時代にはラグビー部で主将も務めた経験もある頭脳明晰にして人徳も兼ね備えた人物だ。



そのバックボーンは彼に誇りと自信を与え、余裕をもたらせる。



余裕のある人はミスが少ない。



慌てるとミスが多くなることと比例していると言えよう。



そう、志村大智はいつも堂々としてミスが少ないのである。





ある日の午後、会社の固定電話のベルが鳴った。



社用固定電話にはディスプレイが装備されており、受話器を取る前にどちらからかかってきた電話なのかが確認できる。







そこには京都下鴨の和食の名店「ほく泉 大さこ」さんの名前が。



https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260303/26013005/



大将とふたりの元ラガーマンの息子さんが腕を振るってくれる京都に来たならば是非とも足を運んでほしいお店である。



話を戻そう。



「ほく泉 大さこ」さんからの電話のベルが鳴り、速やかに志村大智が反応し受話器を手に取る。



入社以来、何百回と口にしてきたお決まりのセリフ「ありがとうございます!なおかつです!」を元気に言う。



はずだった。



ここで異変が起きたのだ!



志村大智は言った。



いつも通りに元気に言った。



「ありがとうございます!ナオサコです!」と。



え?ナオサコ?



僕らの会社「株式会社ナオサコ」だっけ?



違うやんか~。「株式会社なおかつ」やで~。



あか~ん、ひっさしぶりに人のミスがおもろい(笑)



ミスの少ない人のアホみたいなミスはおもろすぎる!



僕の大好物はハンバーグではなくてミスの少ない人のミスやったんやって気付いた!



僕が爆笑してる横で大智は必死で笑いをこらえて電話での会話を続けている。



笑いこらえすぎて顔がうっ血してるやん!あかん、これまたオモロイやないか!



ねえねえ大智君、ナオサコって~なあに?

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